About
研究室が目指すもの
私たちは、持続可能な都市・地域のあり方と、そうした都市や集落に暮らすひとりひとりの豊かな日常を考えています。その実現のため、危機や変化に対応しうる都市・地域のデザイン・プランニング・マネジメントについて研究・実践していきます。
■研究室のアプローチ・姿勢 ◯都市・地域の固有性: 都市・地域固有の価値を尊重し、都市に積層されてきた物理的な環境(=都市空間)と、その背景をなす歴史・文化・社会的関係に対する理解に基づき、都市・地域をデザインする方法論を探求をする。 ◯現場主義・理論と実践の循環: 都市計画・都市デザインは実践の学問であるという認識から、多様な現場で考え・学び、都市・地域に根ざした実践を行うとともに、それを支える理論研究に取り組む。 ◯地域社会の主体性・他主体や分野との協働 地域社会や市民が有する主体性が生き、発展するまちづくりを志向し、都市に関わる多様な主体と協働し、自ら考え、実践する。また、建築・都市工学分野にとどまらず、土木や社会学など他分野にも自らの関心を広げて取り組む都市デザイナー・プランナーとなることを目指します。
研究・実践のテーマ
■都市の変化と、都市空間の再価値化(都市固有の価値を活かしたプランニング) 人口減少時代下での低未利用な空間の増加や、感染症蔓延・情報技術の発展に伴う生活様式・行動パターンの変化が見られています。一方で、そうした変化に価値を見出し、新たな都市・地域像を掘り起こす試みが各所で見られています。各都市や地域の空間や社会に内在する固有の価値を活かした実践的研究を行い、都市空間の再価値化や空間再生に資するプランニング理論構築を試みます。 例) - 産業構造の転換が著しい国内外の港湾・沿岸地域を対象とした土地利用計画や空間再生手法等についての研究 - 「空き」となった都市空間の利用・管理に関わる実践的な研究(福島県南相馬市小高区でのまちなか菜園プロジェクトなど) - インクルーシブな都市社会に関する研究
■ポスト復興と減災のまちづくり研究 東日本大震災と福島第一原子力発電所事故以降、国内外問わずますます災害の多頻度・激甚化の傾向が見られます。「災後」のまちづくり・計画の評価を通じて、今後の災害復興に資する知見獲得を目指します。また、災害を含む様々な変化・インパクトに対応する持続可能なまちづくりについて考えます。 例) - 東日本大震災後の復興事業区域での中長期的な土地利用変化に関する研究 - 居住地の移転と暮らしや生業の継承に関する研究 - 災害後の公共空間のデザイン・マネジメント(西予市野村地区における河川沿い空間のデザインワークショップへの参画など) - 南海トラフ地震津波や大規模水害に対する減災まちづくりの研究(事前復興・流域治水)
■都市形成や個性を理解する 上記の研究を深化し、下支えするためには都市空間の構成や歴史・文化的な諸相、それらの固有性に対する理解を深めることが重要です。都市や集落形成過程、特に近代以降の計画行為とそれに呼応する(または、呼応しない)空間生成と消失のプロセスについて研究します。 例) - 漁港・漁業集落における水辺の空間整備過程に関する研究 - 津波等の災害常習地域における空間計画と形成に関する研究